ばらつきが多くて何が適正なのかよくわからない外壁塗装工事。
失敗しないためにもどのように価格設定がなされているのかを解説していきます。

相模ライフ株式会社 一級塗装技能士:藤原

外壁塗装の価格・費用にばらつきがあるのはなぜ?

 

外壁・屋根の塗装工事で一番の悩みどころは、業者によって価格がバラバラすぎるということだと思います。
価格の違いが生まれる原因は主に3つあると考えています。
まずはそのうちの一つ、品質の違いについて解説します。

品質

これは言わずもがなですが、工事の品質による違いです。
シリコン塗料がスタンダードなこの時代に、外壁をアクリル、ウレタン塗料での施工をする業者は避けた方がよいでしょう。
費用対効果を考えずに塗料の質を下げることで、安さをアピールするためであるからです。材料のグレードが高ければ高いほどいいという訳ではありませんが、ライフプランに合わせた提案をされたいものです。
職人の単価も判断基準の一つになると思います。
腕のいい職人は安い単価では仕事をしません。その会社の品質を見るためには、ホームページよりも求人情報を覗いてみるのもアリかも知れません。
そもそも工事の品質とは仕上がりの良し悪しだけでなく、それぞれの素材にきちんと適した塗料が使われているかということです。
間違えた施工をしていたとしてもその場では綺麗になってしまうのが塗装工事です。5年後、10年後に後悔しないためにも、しっかりとした知識を持つ業者選びが必要になってきます。
昔の知識だけでなく時代の流れに取り残されないように勉強を続けている業者、ということも大事だと思います。
新しい塗料はドンドン開発されています。一昔前はウレタン塗料が標準的でしたが、今ではフッ素塗装も珍しくありません。
そういった流れの中で、塗装方法も変わり続けています。
酸素に反応する油性塗料は、薄塗りでないと硬化しないため薄く塗るしかありませんでしたが、今どきの塗料は厚めに塗るのが基本です。【外壁塗装の種類】塗る前に知っておきたい塗装の知識を一級塗装技能士がご紹介
新しい塗料に対応していく柔軟性も、工事の品質の向上には重要なことだと思います。

塗装工事の内容

 

その次に使用材料や、工事内容の違いです。

まず工事内容についてですがただ塗装だけを行う工事なのか、建物全体の補修を行う工事かどうかでも金額は変わってきてしまいます。

もちろん塗料を塗るだけならばお安く提供することは可能です。しかしお家のメンテナンスというものは塗るだけにはとどまりません。
別の記事でも述べているように板金の補修やクラックの補修、雨樋の勾配の取り直し・取り換えなど様々な作業が関わりを持ってきます。

お客様の予算や、求めていることを無視してドンドンと工事を追加していくのは論外ですが、然るべき工事をせずに安さを全面的に打ち出していくこともまた問題だと考えます。
企業の利益も勿論考えていかなければならない事とは思いますが、お客様の利益を最優先にした提案してくれる業者に出会いたいものですよね。

その次に使用材料の違いです。
外壁の塗料に限らず全てのものにグレードというものは存在します。
外壁塗装に関してはアクリル樹脂から始まり無機塗料など様々な価格帯の塗料がありますので、そこでも価格差は生まれてしまいます。
基本的に高い塗料になればなるほど対候性や耐用年数は伸びていきますが、ここで重要なことは『コストパフォーマンス』も比例して伸びていくわけではないということです。

このようにシリコン塗料とフッ素塗料を比較してみるとわかりますが、耐用年数は3-4年程度の増加ですが価格は二倍以上のものになっています。

ウレタンからシリコンへの進化は、価格と耐用年数ともに魅力的な進化を遂げましたが、それ以降の進化はコストパフォーマンスとしては下がったと言っても良いように思えます。
何度も塗装工事をやることが面倒だというお客様には無機塗料の提案を致しますが、私がシリコン塗料をオススメするのにはこういった理由があります。

 

運営方法

 

最後に運営方法の違いがあります。
リフォーム業者には大まかに『施工会社』と『営業会社』があります。

施工会社

その名の通り施工をする会社です。代表自身が職人であったり、職人を抱えているような会社にあたります。
余計なマージンが発生せず、自社の運営費だけを利益としてお客様から頂戴する企業なので当然施工費は安くなります。

営業を得意としている会社ではないため、事務員がいなかったりなどの理由からお客様への対応がすこし物足りないと感じることもある知れませんが、業者選びを間違えなければ最も優れたコストパフォーマンスを誇ります。

営業会社

その次に営業会社です。驚くかもしれませんが自社での施工スキルを持たないリフォーム会社も中には存在します。
営業を得意としている会社であるため、お客様への対応は職人会社よりも手厚いものになるかと思いますが、比較的金額が高くなります。
それは営業会社の利益とその下請けの施工会社の利益を確保する必要があるためです。

大手のハウスメーカーなども基本的に下請けの職人が施工を担当するので、この運営方法が間違いだとは言えませんが、お客様にとってのメリットはその価格に見合ったものなのかは考えてみる必要がありそうです。

外壁塗装の相場についてはこちらの記事で解説をしています。→【外壁塗装の相場】今のお家と昔のお家では金額が違うって本当?

まとめ

いかがでしたでしょうか?塗装工事の単価とは様々な要因が関係してばらつきが生まれてしまっています。
一般的に10年に一度の塗装工事。安いから良い、高いから良いとは限りません。
納得のいく工事をするためにも最低三社からの相見積もりを取ることをオススメします。

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