「そろそろ外壁塗装を考えているけど予算はどれくらい見ておけばいいのだろう?」
「相見積もりを取ったけどそもそもの相場がわからない」
こんなお悩みを解決していきます。

相模ライフ株式会社 一級塗装技能士:藤原

外壁塗装の坪・面積からみた費用相場

外壁塗装の価格相場を坪数・塗装面積の二つの視点から見ていきましょう。

坪数(延坪) 塗装面積 費用相場
10坪 40㎡ 約20~40万円
20坪 80㎡ 約40~70万円
30坪 120㎡ 約60~100万円
40坪 160㎡ 約80~130万円
50坪 200㎡ 約100~160万円
60坪 238㎡ 約120~200万円
70坪 280㎡ 約140~230万円
100坪 400㎡ 約200~320万円
※窓の大きさや建物のつくりによって前後します。

工事金額の算出方法

インターネット上では坪数で塗装金額が語られることが多いですが、実際の見積もりでは外壁・屋根問わず塗装面積での算出が一般的です。
外壁面積と塗装面積が混同してしまってもいけないので改めての説明になりますが、全体の外壁面積から、開口部(窓)など塗装しない部分を引いた面積のことを塗装面積と呼びます。

この十年で家の作りやデザインが大きく変わり、窓の大きさにも違いが出てきているためあまりオススメは出来ませんが、正確に計測するのは大変なので、今回は簡易的に塗装面積を計算する方法を使いましょう。
外壁塗装の面積を簡単に測る方法

延床面積(全ての階の合計床面積)に係数1.2をかけると、おおよその面積を計算できます。
(係数は1.1〜1.7と幅がありますが、ここでは一般的とされている1.2を使用します)。

【計算式】
延床面積(㎡) × 係数1.2=塗装面積(㎡)
※1坪は3.3㎡ですので、坪数×3.3㎡で延床面積が算出されます。
 (例)
1階20坪、2階15坪の二階建て住宅の場合
【延床面積】35坪×3.3=115.5㎡
【塗装面積】115.5㎡×1.2=138.6㎡
と、このようになります。
ですが冒頭でも述べたように開口部(窓)面積はつくりによって差があるのであくまで参考程度に考えると良いでしょう。
↑大きな開口部が特徴であった少し前の戸建住宅
この住宅ではベランダ内にシャッター式の窓を採用しているがベランダ幅いっぱいの窓を採用していることも珍しくない。
↑あまり大きなサイズの窓を取り入れなくなった昨今の戸建住宅
ベランダ以外の窓も比較的小さくなっている

外壁だけじゃなくて屋根も塗りたい!そんな時の金額は

外壁、屋根をその他の付帯部を塗装した場合の費用相場は、およそ80〜140万円前後です。
もし30坪の建物であれば、大体80〜125万円くらいを見込んでおくと良いでしょう。

屋根の大きさ・形状・勾配によっても変わってきてしまいますが、外壁の塗装工事代金に、屋根の塗装代として30〜40万円がプラスされるイメージをしておくといいかも知れません。

外壁や屋根の工事では、足場の組み立て・解体費用が10万円~30万円ほどかかります。
足場設置代が工事代金の10%~30%以上を占めてしまうため、複数回には分けず外壁と屋根をまとめて塗装することが多いです。

外壁と屋根の工事をまとめて行うか、別々に行うかを迷われている場合は、予算やライフプランを考慮して工事内容を組み立てていきましょう。

外壁塗装の内訳明細

外壁塗装では塗装工事だけでなく、それに付随する様々な工事も必要になっていきます。

以下は、弊社の約30坪のお家の内訳明細書の例です。
参考に内容を確認していきましょう。
※サンプルで作ったものなので全ての30坪程度のお家がこの金額になるわけではありません。
どのような工事の見積もり(内訳)になるかは、業者の違いや作業内容によって異なります。
業者によっては『塗装工事代金 1式 〇〇円』といったような、詳細がわからない見積書を提示されることも少なからずあります。外壁塗装に限らず、あまり馴染みのないリフォームの見積書は、お客様からすると分かりにくいものかと思います。
悲しいことですがこの分かりにくさと、一般にあまり深く理解がされていないという点を利用し、不必要な費用を紛れ込ませてくるような業者がいるのも事実です。なるべく細かく内訳を記載した見積書、内訳明細書を提示してもらいましょう。

使用材料によって費用相場も変わる

塗装工事費用に差を生む要因の一つに使用塗料の違いがあります。
グレード(耐久性・機能)に比例して金額も高くなっていきます。

塗料の種類 耐用年数 施工単価 (中・上塗り合計)
アクリル塗料 4~7年 1,200~1,800円/㎡
ウレタン塗料 7〜10年 1,800~2,500円/㎡
シリコン塗料 12〜15年 2,000~3,500円/㎡
フッ素塗料 15〜20年 3,000~5,000円/㎡
無機塗料 18~30年 4,000~6,500円/㎡
※下塗りを除いた中塗り・上塗りの仕上げ工程の目安料金です。
業者によっては中塗り分・上塗り分と二倍にした金額を提示してくることもあるので注意が必要です。あまりに高い場合は理由を聞いてみるといいでしょう。

※同じシリコン塗料同士であったり、同じ無機塗料同士であったとしても、材料によって期待耐用年数の違いや機能の違いによって価格差は生まれてしまいますので価格と耐用年数には幅を設けてあります。

コストパフォーマンス最優秀塗料はどれ?

全体の費用の15%から25%は、塗装工事に使用される塗料の費用が占めています。
低価格な塗料を使用すれば、勿論工事代金も比例して安くなりますが必ずしもコストパフォーマンスが高いとは言い切れません。

安い塗料は基本的に耐用年数も短いものであります。
つまり、外壁塗装を行ってから次回の塗装工事までのスパンが短くなってしまうため、トータルコストでは高い塗料を使った方がお得になるということです。

分かりやすく足場代だけで計算します。7年おきに塗装が必要な塗料だった場合の、30年分のコストを考えてみましょう。
足場代15万円×4回分=60万円

15年持つ塗料だった場合を計算します。
足場代15万円×2回分=30万円

足場代だけでも30万円の差が生まれてしまいました。
この他に本命である塗装工事代や、それに付随する工事代金を入れると大きな差になることは明白です。

しかしそれと同時にグレードが高ければ高いほどコストパフォーマンスが優れている、というわけでもないのが頭を悩ませます。

無機塗料やフッ素塗料も素晴らしい塗料だと思いますが、コストパフォーマンスではシリコン樹脂のラジカル制御型塗料が一番高い、というのが私の見解です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。→業者によって何故塗装費用が違ってしまうのか【外壁塗装費用】

できるだけお得に工事をする方法

助成金・補助金、火災保険が適用・活用できる可能性

自治体から助成金や補助金が出るような地域もあります。

例えば、屋根に遮熱塗料を使用することで「省エネ住宅改修補助金」を活用できることもあります。
地域によって条件が変わりますので、お住いの自治体のホームページで詳細や適用条件を確認してみると良いでしょう。

リフォーム減税などの優遇も受けられる可能性もあるので、要チェックです。

その他にも、単純に業者の運営の仕方によって金額が変わってくることも事実なので、相見積もりを取ったうえで依頼する業者を選ぶことも大切です。
→業者によって何故塗装費用が違ってしまうのか【外壁塗装費用】

支払い方法は現金一括払いだけなのか

もちろんそんなことはありません。
現金一括払いの他、クレジット払い、リフォームローン、銀行ローン・電子決済など様々な支払い方法があります。
業者によって対応している方法と、していない方法があるので確認してみるといいですね。

中でもリフォームローンに対応していない業者は案外多いです。
依頼したい業者だったのにローンがないから諦める…必要はありません。

お客様ご自身でも銀行から融資を受けることも可能ですし、お客様ご自身で受けられるリフォームローンも登場しています。
ゆとりリフォームローン
業者の用意するローンよりも、銀行やご自身でのリフォームローンの方が大幅に金利が安くなることもありますので、こういったものも利用して余計なコストを減らしましょう。

まとめ

30坪のお家で屋根と壁を両方塗った場合ではおよそ100万円前後の金額が相場になります。
しかし塗料の違いや工事内容、ローンを使った場合は金利、業者の設定単価など様々な要因で変わっていく外壁塗装費用では、相場というものを決めるのは難しいものがあるかも知れません。
相場観だけにとらわれず、工事内容や使用材料をしっかりと把握して、納得のいく工事にしましょう。

外壁や屋根の塗装は高いお買い物。毎日帰ってくる大切な場所。
失敗はしたくありませんよね。
焦らずにいろんな業者を比較して、納得できる工事を納得できる業者へ依頼することが大切です。
良い仕上がりはもちろん、無理のない予算計画で理想のお家にできるといいですね。

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