「外壁塗装のDIYに必要な道具・手順が知りたい」「失敗しないためのポイントや裏技は何?」外壁塗装のDIYに挑戦をお考えの方は、きっとこのようなお悩みをお持ちでしょう。外壁塗装は建物の保護だけでなく美観への影響も大きいです。外壁塗装の基礎を押さえておくことで、失敗なく素敵なDIYができるようになると思います。

神奈川県職業訓練指導員、一級塗装技能士:藤原

外壁のDIYの失敗を防ぐために

成功のコツは何事にも言えますが下調べを入念に行うことだと思います。

使う材料や施工方法も大切ですが、なによりも事故を未然に防ぐといった知識を深めてからスタートしましょう。
例えば脚立の天板(最上部)には乗らない、軍手をしたまま回転工具を使用しないなど、意外だけど危険な行為というのは多々存在します。
自分も周りも傷つける事なく作業を終わらせる事が一番の成功ですので、くれぐれもそこだけは十分に注意して行いましょう。

注意点

上でも書いたように怪我だけは注意して行いましょう。
作業においての多少の失敗は取り返しがつく事がほとんどですが、怪我については取り返しのつかないことも数多くあります。

DIYではいきなり大掛かりな事をやるのではなくまずは小さい所から探り探りで始めた方が良いかも知れません。
妙な塗料を壁一面に塗ってしまったとか、大切な柱を切ってしまったとなると一大事ですが最終的にはプロに依頼すればなんとしてくれますのでご安心を。

しかし手間がかかる分費用もかかるのでご注意を…。

ありがちな事故

事故例をあげるとキリがありませんが恐らくしてしまうであろう危険行為をいくつか挙げていきます。

 

脚立やハシゴが多少ぐらついていても改める事なく使用してしまう。

これは言うまでもなく転倒の危険があります。
身長くらいの高さから転落しても骨折したり死亡してしまう事もあります。恐怖を覚える程の高さじゃないからといって油断は禁物です。

 

手袋をしたままグラインダーや丸ノコを使う。

なんとなく手が保護されているので安全な気がしてしまいますが、革手袋を除き手袋は厳禁です。回転している工具ゆえ手が巻き込まれてしまうからです。
手袋をして使用するくらいなら素手の方が安全です。

 

目の保護は十分にしましょう。

木部のアク洗いやタイルの洗浄に使用するような薬品には失明してしまうような劇薬もあります。そのほか鉄粉などで目を傷付けてしまう事もあるので、面倒でもゴーグルをつけるなどの対策をしましょう。

 

材料の飛散に気をつけましょう。

これは怪我というより周りへの配慮ですが、塗装を行う際には塗料が意外と周囲に飛散していきます。
隣のお宅を汚したりするとトラブルになってしまいますのでここにも注意が必要です。

 

DIYに必要な道具と選び方

外壁塗装のDIYに必要な道具は、主に以下のものが挙げられます。
【洗浄作業】高圧洗浄機・バケツ・ホース・雨がっぱ・長靴・ゴム手袋
【養生作業】ニトクロステープ幅25mm・1100mmマスカー・550mmマスカー・マスキングテープ幅18mm・ブルーシート・カッター
【ケレン・目荒らし作業】サンドペーパー#320 またはスコッチブライト#320 皮スキ
【塗装作業】下塗り材・上塗り材・豚またはナイロン刷毛・山羊刷毛・ローラー(マイクロファイバー18mm)(4インチローラー13mm)
【清掃作業】ごみ袋・ウエス
ホームセンターで全て揃える事ができるかと思いますが、ここで注意点です。
ついつい安い道具を買いたくなってしまうかも知れませんが、それではDIYの難易度が高くなってしまいます。

塗装作業でいうと、100円ショップに売っているようなハケでは抜け毛が多くて僕らでもうまく仕上げる事は難しいかと思います。
なので基準としてはホームセンターでも、中間の価格帯を選ぶと失敗は少ないかも知れません。

反対に高圧水洗浄やインパクトなどの機械工具は、新品で買い揃える必要はないかと思います。趣味としてやっていくならアリですが、単発でやるのなら勿体ないというような気がしてしまいます。
中古でも状態の良いものもありますしレンタルという手もありますよ。

 

外壁塗装のDIYの手順とコツ

外装塗装の手順としては、基本的にこのような流れになります。
1.洗浄
2.養生
3.下地処理
4.下塗り
5.上塗り2回(中塗り・上塗り)
6.養生ばらし
7.細部塗装
8.清掃
それぞれの手順について、どのように行うかを詳しく解説していきます。

洗浄

塗装する箇所を高圧洗浄機で洗います。
洗浄機のガンから噴射される水は身体を傷つける可能性がある程の威力なので十分に注意しましょう。
また高圧で噴射される水は、周囲への飛散も激しいので、通行人やご近所さんへの配慮も忘れないようにします。
洗浄後一日以上の乾燥期間を経て次の工程に進みます。目荒らしやケレンを洗浄前に行うと効率が良いです。

養生

塗料が付かないように、塗装しない部分にビニールをかけていきます。
窓と壁の境目など、『チリ』と呼ばれるラインが大切で、まっすぐ綺麗なラインが出ると仕上がりがよくなります。
ローラー塗装でも想像以上に塗料は飛散しますので、丁寧に、広範囲に養生するようにします。特に車には要注意です。

下地処理

外壁にヒビや膨れなどの不具合がある場合は下地処理が必須です。
一般的にヒビの補修というとコーキング材が用いられますが、実はカチオンペーストを刷り込む方が仕上がりが格段に良くなります。
膨れの補修は、剥がせるところを全て剥がし、パテ等で段差を消した後に周りのパターンに合わせて模様を吹き付けるという作業になるのですが、これは少々難しいかも知れませんのでプロに任せて頂いた方がよろしいかも知れません。

 

下塗り

下地と上塗り材の密着を良くするため、材料の吸い込みを止めるために下塗りは欠かせません。
下塗りを行っていないと剥離や色むら、艶むらなどの塗膜不良に繋がるので丁寧に塗り上げましょう。
ローラーを使用し塗り進め、ローラーが入らないような細かいところは刷毛で塗り込んでいきます(ダメ込みと呼びます)
希釈率を厳守することも大切です。

上塗り

下塗りを乾燥させ後に、上塗り材を二回塗る作業です。2回とも同じ塗料を塗り重ねます。
二回塗る理由としては膜厚の関係があります。塗料の耐用年数とは本来求められる厚みがあってこそ、発揮されるものだからです。
艶も一回塗りに比べしっかりと出ますので、上塗りは必ず2回以上行いましょう。

養生バラシ

窓などを覆っていたビニールを外します。この時にもテープを真っすぐに剥がすことでバリなどを残さず、きれいに剥がすことができます。

細部塗装

雨樋などの壁以外の部分の塗装をします。刷毛でもいいのですが、4インチのローラーを使うと初心者にも易しいです。
この時には仕上げた壁などを汚さないように気を付けて塗り進めていきます。

清掃

養生から漏れてしまった塗料をシンナーをつけたウエスで拭き取っていきます。
細部塗装の時に壁を汚してしまった場合は、壁の上塗り材でタッチアップして仕上がりです。

使用する塗料はホームセンターで大丈夫

プロ用の塗料が置いてあることもありますが、よく調べてから塗装することをオススメします。
壁の種類や傷み具合により数多の選択肢がありますし、使用材料の判断はプロでも苦手な業者がいるくらいなので、ここは知り合いの詳しい人にアドバイスを求める必要があるかも知れません。

この記事に書きたいとは思うのですが状況によりけりですので、トラブルを避けるため控えさせていただきます。スミマセン。

DIYを行うことで得られるメリット・デメリット

大変な反面、達成感を味わえるDIY
その他のメリット・デメリットはあるのでしょうか。

メリット

費用が抑えられる
やはりこれにつきますよね。100万円前後する塗装工事も自分で行えばおよそ40万円から50万円くらいで行えるのではないでしょうか。

タイミングが選べる
業者に依頼をした場合、工事の日程が合わずタイミングが遅れることがあります。
しかし、DIYであれば自分次第ですので好きなタイミングで取り掛かることが出来ます。

デメリット

一番はやはりケガだと思います。地面での作業では心配ないかと思いますが高所作業となると話は別です。
あまりに危険な作業はプロに任せた方がいいかも知れません。

また、失敗する恐れもあります。DIYなのでそれもまた一興と割り切れるなら問題ありませんが、神経質な方は気になってしまうかも。

そして一番重要なことが近隣への被害です。私たちは万が一のために『工事賠償責任保険』というものに加入しています。
工具を落として通行人にケガをさせてしまった、塗料を車に飛散させてしまったなどの事故に対する保険です。
私はまだ一度もお世話になったことはありませんが、そういった事故が起こりうるのもまた事実です。

職人だけが知っている裏技を少し紹介しちゃいます

〇塗装部分と、塗料が漏れやすいタイルなどの塗り分け部分には、クリアーのボンドコークを使用すると線がきれいに出ます。

〇窓回りの養生にはガムテープの前にマスキングテープを貼ると線がきれいに出ます。

〇中塗りと上塗りの色を変えると見落としなく上塗りがしやすいです。

〇テープは広いスパンで貼ると真っすぐに貼りやすいです。

〇一気に四面をやろうとしないで、二面ずつ進めていくと落ち着いて作業ができるかもしれません。

まとめ

外壁塗装は、基礎や注意点をちゃんと押さえておけばDIYが可能だと思います。
DIYなら、費用、タイミングなどの面でのメリットもあります。しかし、危険な作業はケガの恐れもあるため、確実性を求めるのであれば業者に依頼してしまいましょう。

費用面や達成感など様々なメリットもありますが、危険なデメリットがあることも事実です。
自分でできそうな範囲をDIYにし、危険が伴うような作業は業者に依頼するなど、メリット・デメリットのバランスを考えて無理のなく楽しくDIYをしましょう。

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